生産者紹介

  • 12月号

    「りんご」秋田県鹿角市の兎澤忠良さん

    複数の火山で形成された八幡平高原の麓に位置する秋田県鹿角市。この地で祖父から引き継いでリンゴを育てているのが兎澤忠良さん(44)です。マラソンランナーとして活躍した彼の、初めての練習場所はリンゴ畑でした。美しい景観とは裏腹に、散布される農薬を浴びることや、祖父母が農薬まみれで作業をしている様子を見て農薬が嫌いになりました。帰郷後は、18年間にわたり農薬を減らす栽培に挑戦し続けてきました。病気が蔓延してリンゴが全滅するような失敗も経験しながら、今年は有機JAS認証を取得。そんな兎澤さんの物語とともにお届けするのは「サンふじ」。太陽の光をいっぱいに浴び、適度な甘みと酸味が特徴です。

  • 11月号

    「沼山大根」秋田県大仙市の田口康平さん

    秋田県中央部、大きく蛇行しながら東西を貫く雄物川流域に位置する大仙市。一度は途絶えてしまった大根を復活させた若き農家、田口康平さん(36)が来月号の主役です。30歳を前にUターンした田口さんは、無肥料・無農薬栽培で米や野菜を育てています。知人から「秋田にはうまい大根がある」と聞いて出合ったのが、かつて横手市の沼山地区で栽培されていた「沼山大根」でした。2017年に県の機関から譲り受けた、少量のタネを3人の仲間とともに増やし、今年は5,000本を収穫する予定です。青い首、力強い歯ごたえと濃厚な味が特徴の沼山大根を、大根の未来を背負って走る田口さんの奮闘記とともにお楽しみください。

  • 10月号

    「庄内柿」山形県鶴岡市の五十嵐大輔さん

    東側に霊峰・月山を望む小高い畑に何十本も並ぶ柿の木。来月号の主役はこの地で柿を育てる五十嵐大輔さん(41)です。長らく農業とは無縁の仕事をしていた五十嵐さんですが、山里の恵みを活かした暮らしをしたいと一念発起。9年前にUターンして農家になりました。柿は近年人気が低迷して値段が下がり、毎年何百本もの木が切り倒されています。彼はそんな柿の魅力を伝えるために、柿についての本を作ったり、シェフたちと共に柿のフルコースを振る舞うイベントを開催したりと精力的に活動しています。そんな五十嵐さんの姿と共にお送りするのは庄内柿。滑らかな舌触りと上品な甘さが特徴的な「渋柿の王様」をお楽しみに。

  • 9月号

    「椎茸」福島県西会津町の高久一志さん・香織さん

    福島県北西部、新潟県との県境に位置する西会津町。この地で菌床椎茸を栽培しているのが高久一志さん(47)と妻の香織さん(47)です。二人が農業の道に足を踏み入れたのは11年前、香織さんが病で片目を失明したことがきっかけでした。笑顔を失ってしまった香織さんの希望は、自然の中で二人で仕事をすること。そこで一志さんが目をつけたのは椎茸栽培でした。全く農業経験のなかった彼は、1年間で100件以上の農家を訪問して技術を学びました。そんな二人の足跡とともにお届けするのは驚くほど肉厚で、えぐみが少ない椎茸。椎茸の全国大会で5年連続最高賞を受賞している、まさに味も想いも “日本一”の椎茸です。

  • 8月号

    「トマト」宮城県美里町のブシャン・アケボノさん

    宮城県北東部、広い平野に位置する美里町。この地で農業を営むブシャン・アケボノさん(27)は、7,000km離れたインド、ニューデリーからやってきました。父親が日本でインドカレー店を開いたのをきっかけに来日。始めは料理人を志していた彼女ですが、より美味しい料理のために材料となる野菜の栽培に興味を持つようになりました。高校、大学で農業を学び、6年前に就農。現在は農薬、化学肥料を使わずに野菜を栽培しています。そんな彼女の姿とともにお届けするのは「なつのしゅん」という調理用トマト。程よい酸味が、加熱すると旨味を引き立てます。日本生まれのトマトを、日本を愛するアケボノさんの姿とともにお届けします。

  • 7月号

    「勘次郎胡瓜」山形県真室川町の高橋伸一さん

    山形県北部、秋田県との県境に位置する真室川町。この地に120年前に伝わり、タネを受け継いだ勘次郎家の人々が「タネを絶やすな」という言い伝えを守り繋いできた伝承野菜「勘次郎胡瓜」。ずんぐりした形、ジューシーで柔らかな食感、爽やかな香りが特徴です。このキュウリの十数名の繋ぎ手の一人、高橋伸一さん(43)を特集します。役場職員として伝承野菜や手仕事などの地域特有の文化に携わり、継承者を探す仕事をするうちに、自分自身がその役割を担いたいという気持ちが芽生えました。そして3年前、22年間勤めた役場を退職して農家兼藁細工職人に。そんな高橋さんの足跡とともに、希少なキュウリをお届けします。

  • 6月号

    「薄目張」青森県中泊町の鈴木直也さん

    津軽半島の北端、竜飛岬から南へ20km、日本海にわずかに飛び出した中泊町小泊(こどまり)漁港。来月の主役は漁師・鈴木直也さん(48)。東京や横浜で働いていましたが、兄が船から落ちて亡くなったことをきっかけに帰郷。39歳の転機でした。3年でトップになってやると、勇んで船に乗った彼の目に飛び込んできたのは、重たいアンカーを軽々と持ち上げ、漁の記録をつけて改善を重ねる漁師たちの姿。彼は船頭になった今でも、他の漁師たちを「みんな先生だ」と尊敬しています。そんな鈴木さんの物語とともにお届けするのは、薄目張。この町が日本で一、二を争う水揚げ量を誇る高級魚です。脂が乗った半透明の白身魚をお楽しみに。

  • 5月号

    「鈍子(どんこ)」岩手県釜石市の佐々木洋裕さん

    釜石湾のほど近くにそびえ立つ、高さ48.5mの真っ白な観音像。この観音様に見守られるように、毎日暗いうちから出漁する佐々木洋裕さん(47)。片道1時間かけて漁場に繰り出し、水深200mの魚を狙います。カゴを揚げ、かかった魚を選別し、餌を仕掛けて海に投げ入れ……出航から10時間、休みなしに体を動かし続けます。そんな佐々木さんの姿とともにお届けするのは鈍子。三陸の冬の味覚として有名ですが、鮮度が落ちやすいので冬に出回っているだけで、実は周年楽しめる魚です。初夏の鈍子は次のスポットに移動するまでのわずかな時間で氷〆めにする、佐々木さんの俊敏な仕事の賜物。ふわふわの白身と濃厚な肝を味わって。

  • 4月号

    「アスパラガス」秋田県大潟村の松橋拓郎さん

    昭和39年、食糧不足を解消すべく、日本で2番目に大きな湖を干拓して誕生した村、大潟村。新しい大型農業のモデル地域として造成されたこの地に入植した農家の3代目、松橋拓郎さん(32)が今回の主役です。米が余り、減反政策が進められる今、彼は日本で農業をする意味を考え続けてきました。ヨーロッパの小さな農村や、南米の大規模なプランテーションを自らの目で見て、「食べる人とつくる人が一緒になって、食べる喜びを共有すること」に日本農業の役割を見出しました。そんな彼の姿とともにお届けするのはアスパラガス。春の訪れを伝える、太くてみずみずしい最高鮮度のアスパラをお楽しみに。

  • 3月号

    「芹」宮城県名取市の三浦隆弘さん

    宮城県の南部、仙台空港のほど近くに位置する名取市。名取川の伏流水が湧き出て形成された湿地帯で、400年以上も前からつくり続けられてきたのが芹。日本一の生産量を誇ります。仙台の名物料理としてすっかり有名になった「芹鍋」ですが、実はこの15年間で築きあげられてきたものです。昔はお正月の雑煮に使うぐらいしか需要がなかった芹を、本当に美味しい時期に地域の文化の一つとして楽しんで欲しいと動き出した一人の農家がいました。この地で無農薬無化学肥料で芹を育てる、三浦隆弘さん(39)です。三浦さんの15年間の歩みと共に、春を迎え、甘みと旨味が最大限に詰まった芹をお届けします。

  • 2月号

    「豚肉」岩手県二戸市の久慈ファームのみなさん

    岩手県と青森県の県境、頂上から八甲田連峰や岩手山を見渡すことができる折爪岳。この麓で昭和29年に豚を飼い始めた初代・久慈佐助さんの名を冠し、「佐助豚」と呼ばれるブランドをつくり育ててきた久慈家の物語です。東京の有名ホテルで腕を振るっていた三代目・久慈剛志さん(41)は、品質向上のために日々研鑽する父の姿に反比例して、市場価格の低下に引きずられて困窮していく状況を目の当たりにし、なんとかこの味を守りたいと帰郷。生産の傍ら、販売のために全国を飛び回っています。そんなファミリーヒストリーとともにお届けするのはサガリ(横隔膜)とスペアリブ。部位ごとの味わいの違いをお楽しみに。

  • 1月号

    「生若布(なまわかめ)」岩手県大船渡市の千葉豪さん

    岩手県沿岸南部、三陸の代名詞ともいえる細かく入り組んだリアス式海岸に縁取られた大船渡市。今回の主役は、「養殖漁業の父」という異名をもつ実業家・水上助三郎の子孫で、自称220代目の漁師・千葉豪さん(36)。自分のワカメが日本一だと信じていた彼は日本中のワカメ漁師を訪ね歩きます。しかし、そこで気付いたのは国産ワカメの知名度の低さでした。「自分の浜のワカメが良い悪いと言ってる場合じゃない。国産ワカメの美味しさを日本中の人に知ってもらいたい」と奮起しました。そんな千葉さんに共感する三陸の漁師たちとタッグを組んでお届けするのは生若布。この時期だけの柔らかい口当たりをお楽しみください。

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