生産者紹介

  • 12月号

    「帆立」岩手県大船渡市 中野圭さん

    岩手県沿岸部、大船渡市の中野圭さん(35)が来月号の主役です。中野さんは都会へ憧れて大学進学とともに上京し、起業した矢先に東日本大震災が発生。巨大津波に飲み込まれた故郷を見て「地元のために」とUターンして漁師になりました。しかし震災後、有毒プランクトンを取り込むことによってホタテが有毒化する「貝毒」が三陸じゅうの浜で大発生。海水温が上がる時期になると、毎年のようにホタテが出荷できない日々が続いています。浜では厳しい検査と適切な処理が行われていますが、消費者の理解は十分に得られていません。「ホタテをフグに!」をスローガンに奮闘する中野さんの姿を追います。冬はホタテの“第二の旬”、成熟した濃厚な卵(生殖巣)が楽しめる殻付きホタテをお届けします。

  • 11月号

    「ゆきのこまち」秋田県鹿角市 坂本寿美子さん

    秋田県鹿角市、八幡平の麓で農業を営む坂本寿美子さん(47)が来月の主役です。七代続く米農家の三女として生まれ、一度は上京して都会で働いていましたが、Uターンし農家になりました。農薬や化学肥料を使う従来の米作りを手伝いながら、「どうせなら違うやり方でやりたい!」と一念発起。広大な農地の中のたった一枚の田んぼで環境に負荷をかけない米作りを始めました。しかし初挑戦の年、運悪く稲刈り直前に初雪に見舞われます。雪の重みに倒れることなく、その田んぼの稲穂は力強くしなやかに雪をまとっていました。一般的な「あきたこまち」より香り高く、驚くほどの甘みがある特別なお米を「ゆきのこまち」と名付け、今年5回目の収穫を迎えます。付録はゆきのこまちの玄米と玄米茶です。

  • 10月号

    「根菜」青森県青森市 森山知也さん

    青森市内からは八甲田山の前に鎮座して見える雲谷(もや)峠。次号の主役は雲谷峠の麓で農業を営む森山知也さん(45)です。故郷を離れ都会で生活していた森山さんですが、東日本大震災後、「口では原発は危ないと言いながら、変わらずのうのうと暮らしている」ことに耐え切れずふらりと父島へ。ネイチャーガイドをしながら生きものの姿に目を凝らすうちに「人間以外に自然を汚している生物はいない。本当に人間は自然を汚さなければ食べものを作れないのか?」と考えるように。2015年より青森市で農薬や化学肥料に頼らない野菜づくりを続けています。お届けするのは人参、カブ、ミニ大根の3品目。それぞれ1〜2品種の固定種*の詰め合わせです。力強くユニークな野菜の味をお楽しみください。

  • 9月号

    「チーズ&ヨーグルト」岩手県一戸町三谷剛史さん・雅子さん

    岩手県内陸北部、北上山地と奥羽山脈に囲まれた一戸町・奥中山。この地で18頭のジャージー牛と共に暮らす三谷さん一家を取材します。三谷剛史さん(46)と妻の雅子さん(42)は、同じ農業大学の先輩後輩。放牧酪農に憧れを抱いた二人は、学生時代に「将来は一緒に放牧をしよう」と誓い合いました。最初に迎え入れた子牛が牧場を駆け回り、成長し、出産し、初めて絞った牛乳が忘れられないと言います。草の成分で牛乳は黄金色をして、季節ごとに移り変わる草花を閉じ込めたような爽やかな味わい。以来、牛乳の個性をそのまま生かすために、自らさまざまな製品を開発してきました。柔らかくジューシーなモッツァレラチーズと、コクがありながらもスッキリとしたヨーグルトをお届けします。

  • 8月号

    「短角牛」青森県十和田市の佐々木基さん

    次号は「日本のカウボーイ」を目指す佐々木基さん(28)を特集します。研修で訪れたアメリカで、牛と人、自然が共存するカウボーイライフの虜に。一方、地元・十和田市では山が荒れ、仕事がないと人が離れていく。豊かな山を取り戻し、山で牛を放牧して小さく循環する里山をつくりたい。その一歩目として地域の恵みを生かして短角牛を育てています。短角牛とは日本の在来牛を親にした和牛。一般的に和牛は生後30ヶ月でお肉になりますが、彼は生後7〜8年の「経産牛」を引き取って飼養しています。野性味溢れるしっかりとした肉質と、強いうま味が特徴です。「最期はストレスなくゆっくり過ごしてほしい」と、夏は八甲田の麓で放牧し、冬は自家栽培した牧草などを与えています。付録は短角牛のバラ肉または煮込み用肉。どちらが届くかぜひお楽しみに。

  • 7月号

    「西瓜(すいか)」山形県尾花沢市の阿部真一さん

    山形県最北東に位置する尾花沢市は、夏スイカの生産量日本一を誇ります。今回特集するのはスイカ農家の阿部真一さん(43)一家。減反政策によってコメの代わりに父・良一さんが始めたのがスイカでした。雪解けが遅いため、農業ができる期間が非常に短い土地ですが、豊富な雪解け水と盆地特有の夏場の気温差はスイカ作りには適していたのです。農園の目印は大きなスイカ直売の看板。40年ほど前に小さなテント一つで直売所を始め、以来、家族総出でお客さんと顔の見える関係性を築いてきました。阿部家の物語とともにお届けするのは小玉スイカ。一株にならせるスイカを減らして養分を凝縮させるのが特徴です。シャリっとした歯触りと皮ギリギリまで甘みのあるスイカをお楽しみに。

  • 6月号

    「胡瓜(きゅうり)」秋田県美郷町の高橋洋生さん

    秋田県美郷町。田んぼが広がり、奥羽山脈の山裾を臨むこの地で、ひときわ目を引くのが立派な鉄骨造りのビニールハウス。20年で寿命を迎えるパイプハウスに比べて15年以上長持ちしますが、施工費は3倍以上。それでも「ここで農業をする次の世代の負担を減らしたい」と、高橋洋生さん(38)は建設に踏み切りました。祖父が始めたキュウリ栽培を引き継いだ高橋さん。消費者にとってはもちろん、農家やキュウリにとっても“より良い”栽培を追い求めています。まっすぐな高橋さんのキュウリは、ストレスなく育った証拠。肥料をギリギリまで抑えることでえぐみがなく、糖度がすこし高いのが特徴です。食べ慣れている野菜だからこそ、その違いをお楽しみください。

  • 5月号

    「昆布」宮城県石巻市の阿部勝太さん

    宮城県沿岸部、石巻市十三浜(じゅうさんはま)。この地で漁業を営む阿部勝太さん(35)を特集します。2011年、巨大津波は集落や船、漁場を一掃しました。漁業再生のために漁師がグループを組んで法人を立ち上げましたが、彼らにとって会社経営は初めての経験。数ヶ月後に経営状況を見た阿部さんはあまりの惨状に絶句しました。以来、自ら営業や商品開発を行い、正当な対価を得る努力を続けてきました。「震災から10年は絶対に区切りではない。漁業は良いものを作ることは当たり前、その上で稼げる“かっこいい仕事”にしていく。これからがスタートだ」と語ります。お届けするのは外洋の荒波に揉まれて育った肉厚な生の昆布。食感の異なる根昆布まで含めてお届けします。

  • 4月号

    「山葵(わさび)」山形県東根市の佐藤佳菜子さん

    山形県中央部に位置する東根市。この地で農業を営む「大富農産」は、環境省の名水百選に選ばれた小見川(おみがわ)と同じ水源の地下水をくみ上げ、農薬や化学肥料を使わずにワサビを栽培しています。代表の平野博幸さん(57)とスタッフの佐藤佳奈子さん(39)は関東からの移住者。ワサビが育つために必要な水・空気・日差しといった環境を守り、「人間はお手伝いをするだけ」と今日もワサビ田へ向かいます。 “本わさび”と呼ばれる日本原産のワサビは、広く流通している西洋ワサビとは異なり、さわやかな香りとほのかな甘味があり、ツンと鼻に抜ける辛みが特長。根・葉・茎まで一株丸ごとお届けします。部位ごとに異なる味わいをお楽しみに。

  • 3月号

    「山伏茸(やまぶしたけ)」山形県鮭川村の荒木正人さん

    山形県の北部に位置する鮭川村で、一年を通して4種類ものキノコを生産する「最上まいたけ」の荒木正人さん(70)、賢人さん(41)が来月号の主役です。清流と緑豊かな山のふもとにある鮭川村は、東北随一のキノコ生産地であり、その種類の豊富さはなんと日本一。雪深く冬場の仕事がないこの地域で、創業者である荒木正人さんが見出したのがキノコ栽培でした。付録の食材は「山伏茸」。ウサギの尻尾のような見た目から、地域では「うさぎもだし」と親しまれているキノコです。正人さんが鮭川村のナラ林で偶然見つけた株を持ち帰り、栽培に成功しました。スープにすればチュルンと、揚げればふわふわに、調理方法によって食感が七変化する山伏茸をお楽しみに。

  • 2月号

    「真河豚(まふぐ)」山形県鶴岡市の鈴木重作さん

    山形県南部、小波渡(こばと)漁港から船を出す鈴木重作さん(66)が来月号の主役です。今から40年前、浜は大漁に沸く一方で、酒を飲めば漁師たちから飛び出すのは「魚が安い」という愚痴ばかり。品質は二の次で量を追い求め、安値に泣く漁業に若き日の鈴木さんは強烈な疑問を感じます。以来、魚を活かしたまま築地に運ぶ方法を確立したり、稚魚の放流をしたりと数々の挑戦を続けてきました。彼が十数年前から取り組んできたのがマフグ。身質の劣化が早いため、長年見捨てられてきた魚でした。一尾ずつ釣り上げ、さばく直前まで水槽で生かし込むことで柔らかな甘みと適度な歯応えを実現。鈴木さんに共感する地域の料理人たちが盛りつけた、目にも美しいマフグをお届けします。

  • 1月号

    「ホワイトアスパラガス」岩手県二戸市の馬場淳さん

    岩手県と青森県の県境に位置する岩手県二戸市浄法寺町。国産漆のうち80%以上を産出する、漆の里としてその名を馳せています。この地で200年以上農業を営む、馬場家の九代目・馬場淳さん(31)が来月号の主役です。二戸の冬は土も凍るような厳しさで、冬場の仕事を生み出すことが農家の積年の課題でした。そこで馬場家が目をつけたのがホワイトアスパラガス。太陽の光を浴びて育ったアスパラガスの根っこを秋に掘り起こし、再び土をかけて埋め直す非常に珍しい方法で栽培しています。夜の寒さで甘みが増し、切り口から水滴が滴るほどのみずみずしさが特徴です。馬場さんが「白い果実」と胸を張る、ホワイトアスパラガスをお楽しみに。

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